ひまわり Sunflower
片田舎の小さな家の前でお母さんが洗濯物を干している。もっとも日常で、もっとも映画にはならなそうなシーンのおかげで「戦争は最低」とわかる。 だから世界中が見るべき作品が『ひまわり』(1970) さすがはヴィットリオ・デシーカ監督。庶民の立場で映画を撮らせたら、彼の右に出る者は数少ない。デシーカの『自転車泥棒』(1949)は、世界中の映画学校での教材。 「自分の国でも犬扱いされてるのに、今度は1万マイルも飛んでって、罪もない貧しい農民を殺せだと。こんなに強大な国があんなに貧しい人たちを!俺は絶対に人殺しはしない」.. どんなに政府に脅かされ、チャンピオンベルトどころかボクサーライセンスを奪われ、命の脅迫を受けても軍隊入りを拒否したモハメド・アリの行動が、狂った世界を目覚ませた3年後の作品。 アリ、ジョーン・バエズ、ボブ・ディラン.. 洗脳され戦争に安易に流れ込む因習が変わり始めた時代の傑作『ひまわり』 政府は軍隊を「いいところだよ!」と宣伝し、獲物(若者)を笑顔でおびき寄せ、招き入れたあと、後ろ手にゲートを閉める時には悪魔の笑顔。そこはカニやウナギの罠同様、決して外には出られない。他国に銃を持って行かされ、払うことになる最悪な代償は全部自分持ち。悪影響は、ひ孫の世代にも。 ミラノ駅からソ連への列車の旅。ウクライナの広大なひまわり畑。ソフィア・ローレンの最高最大の名演。ヘンリー・マンシーニのピアノスコア...『ひまわり』の世界同時上映をやらなきゃ。 |
AuthorLucky Day Archives
January 2020
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